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ライフルスコープ。どれを選ぶ?

狩猟用の光学機器を選ぶ際、自分にはどのスコープが合っているのか。身近に相談が出来る仲間が少ないと、ちょっと不安になるかもしれないスコープ選び。目的に合ったライフルスコープを用意することは目指すゴールへの近道です。そこで今回のブログはどれを選ぶ?というテーマです。それでは早速いってみます。

 

【さて、どれを選ぶか?】

装薬銃、空気銃。猟銃によっては取組むハンティングも大きく異なります。標的が動的、或いは静的、レチクルの見やすさと、使い易さというのは、それぞれに異なります。

 

例えばイルミネーション(照明装置)。日中でも赤い点が飛ばない(*見えない)十分な輝度が確保されている。といった要素もスコープ選びでは大切です。これは実際に覗いてみないと判断できません。

 

市場には、個性溢れる大小様々なライフルスコープがありますが、ひとまず仕様と価格は脇に置き、目的に応じた大分類をご紹介します。低倍率オールラウンドロングレンジのざっくり3分類です。

 

【低倍率】

巻狩り。予測した場所、または予期せぬ場所から突然現れる獲物に対し、瞬間的な判断が求められるこの場面。広視野の確保に加え、素早く動く獲物をスコープ視野内への捕捉。可能な限り肉眼に近い感覚の1xが理想です。1倍といっても倍率は掛かっていますので、これも実際に覗くとメーカーによって良し悪しの違いがはっきりわかります。

 

正直な話、狩猟業界に入りたての頃、このスコープには違和感しか感じませんでした。接眼レンズ側が、対物レンズ側よりも太いという。初めて低倍率スコープに触れた時、何も知らずに対物側から覗いてしまったことを覚えています。倍率の掛かったスコープ分類のうち、視野の広さはナンバーワンです。

 

【オールラウンド】

狩猟スタイルがまだ決まっていない、或いは既に取り組みたいハンティングが決まっている。高倍率は欲しいけど、なるべく軽いスコープが理想的。4倍比、6倍比、8倍比で、対物径は42㎜、50㎜前後、チューブ径は1インチ又は30㎜あたりでしょうか。仮にここでオールラウンドを選択したとしても、結果として低倍率スコープや、高倍率のロングレンジ向けのスコープは欲しくなるものです。

 

そうは言いつつ、欲張り仕様なオールラウンドスコープは人気です。低倍率域は2倍前後から始まり、高倍率域が15倍弱といった分類のスコープ群を呼ぶことが多いです。近年では、8倍比、10倍比と光学設計の高スペック化が進んでおり、イルミに加え、サイドフォーカスを標準搭載していたりします。

 

【ロングレンジ】

文字通り。遠距離射撃に特化しているライフルスコープです。ロングレンジ向けのスコープは、低倍率スコープと比べると、大きな対物レンズを備えています。50㎜56㎜といった具合です。

 

チューブ径(*スコープ本体の筒直径)も一般的な30㎜に加え、34㎜36㎜40㎜など、太いチューブ径を用いることで、メーカーとしては、コスト面が負担ですが、より多くのエレベーション移動量/新機構を確保できるようになります。

 

これは射撃距離に応じて変化を見せる、落下する弾道(*言い換えると着弾点)を補正しようとする際、狙点と着弾点のアライメントを取るような、そうした作業の際に、必ず必要とされ、移動量が多い=ベターな仕様とされています。但し、着弾の正確な再現性(品質)というのも忘れてはいけません。

 

【まとめ】

上の図解ですが、過去に用意した図へ少し手を加えてみました。

 

日本語にすると、アルペンハント=標高の高い山で行われる狩猟ロングレンジ=遠距離射撃ですが、日本の一般的な射撃感覚のそれよりは遠い距離です。ドリブンハント=巻狩りストーキング=忍び猟、ハイシート=日本では該当無しなのですが、このスタイルはあらかじめ畑の傍らに用意しておく小屋の中から行う猟です。これは本当にリラックスできます。日本でも広まるといいなと思ってますが、色々とルール整備が必要なのだと思います。

 

【おまけ記事:ひとみ径】

上の図中に、ひとみ径 なるワードが登場しています。

我々のひとみ(瞳:感覚器官)、個人差はあるようですが、日中は2.5-3㎜程度、暗闇では7㎜程度にまで目の採光絞り機能を無意識に機能させているそうです。

 

比較的暗所(例:夕暮れ、森の中)でも、明るく見える!という理由は、RSの最大ひとみ径に起因しています。このひとみ径は、スコープの対物レンズ径と、倍率の関係に依存していますので、この辺りも上の大分類図で把握しやすくしています。

 

例えば、巻狩り用途で優先順位の高い要素は、広い視野、かつ、明るさ。といった感じです。展示会等で各メーカーの最新スコープを覗く際、あらかじめ予習をしておいたモデル特徴の答え合わせをしてみるのも勉強になります。

 

今回も、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

 

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