日本語訳テストレポート

デントラーマウント

ここでは、海外で活躍をする日本の光学機器メーカーのライフルスコープ製品レビューをご紹介をさせていただきます。ここで紹介させていただくレビューは、ドイツ狩猟専門誌に掲載され、著名なドイツ人ライター様によって準備されたものが中心になります。

 

ドイツ語から日本語へ翻訳したテストレポートについては、ライター様から許可を頂戴したもののみを掲載させていただきますが、テストレポートの著作権(写真を含む)は全てライター様に帰属しますので、記事の2次転用はについては、直接ライター様へその許可をご確認をいただくことになります。ご注意ください。

こちらのテストレポートは、2014年3月に出版されたドイツ狩猟専門誌へ掲載されたものです。

ファンダメント

モジュラー式のライフルスコープマウンティングシステム、デントラーベイシスは光学機器の着脱において常に100%の着脱再現性を誇り、故に絶対的な光学機器の付け替えを可能としています。常に一定のテンションで、かつ正確な位置にスコープをマウント固定すること、それが期待を裏切らないデントラーの構造デザインです。

 

ライター:Roland Zeitler

デントラーベイシスは単にシンプルというだけではなく、その取付けは容易です。取り扱いについても迷うことはなく、複雑ではありません。スコープのマウンティングから取り外しまでの全工程において、デントラーベイシスをユーザーフレンドリーと言わしめる理由はここにあります。

 

ユーザーは筋肉質である必要はなく、繊細な指使い、或いは力強い指先も必要ありません。確かに、市場には既に十分なスコープマウントが存在しますが、優れた技術的解決方法を以って参入できる余地は未だ残っています。

 

シンプルなデザインのデントラーベイシスは、2本のレールの様な部品から構成され、それらは互いに如何なる組み合わせでも互換性を持つレールなのです。

 

ベースレールは銃器側に取付け、ライフルスコープはマウントレールに取付けます。ベースレールとマウントレールが組み合わせると、2つの個別部品から構成される一つのユニットを形成します。開発チームがレール状の構造原理を採用した理由は、光学機器付け替え時における100%の取付け精度に加え、互換性のあるシステム、且つ、ねじれに対する高い耐久性です。これらが余計なテンションを全く不要とする、システムとしてのスコープマウントを約束しています。

 

下側のベースレールは、ネジ固定、或いは銃器側への接着など、銃のモデルによって取付けは様々です。ベースレールには、多くの銃モデルに対応したタイプが用意されています。試射に用いたBlaser R93には、バレルのサドル部にスチール製ベースレールをトルクスネジを使って固定しました。スコープは上部レールにマウントします。インナーレール式、またはリング式の何れかの方法でスコープを下部のベースレール側へクランプ固定します。

 

リング固定用のマウントレールには6つの穴が空いているので、リングは必要に応じ、取付け時に求められる異なる位置へ配置をすることができます。もしユーザーが極めて精密なリング取付けを望む場合は、ラッピングツールを使って2つのリングのアライメントを取ることで更に高精度な取り付けをすることも可能です。しかしながら、この点はデントラーマウントレールとリングの製造工程における、それら金属加工作業品質により不必要です。リングは互いに正確にアライメントが取れています。2つのリングは銃器に直接ではなく、高精度加工されたレールに取付けられる為、銃器側の精度不良による影響がここに及ぼすことはありません。

 

最後に、ベースレールとマウントレールの2つのモジュールが合体することで、1ユニットとしてのデントラーベイシスが形成されます。上部のマウントレール中央には、全周フルーテッドされた固定用ピンが備わり、この部分がマウントレールとベースレールのバックラッシュを排除しています。このピンがベースレールに空いた穴へ挿入され、ベースレール側に付いているクランプレバーを180度回転することで上下レールは固定されます。

 

結果として、クロスボルトの様なクランプシャフトが固定ピンに備わる窪みに嵌ることで、マウントレールとベースレールはこのピン機構を介し、全軸方向で常に中心で固定されます。何度繰り返しても同じ固定位置に収まる理由、これこそがデントラーの絶対的な再現性の秘密です。

 

クランプレバー回転時の抵抗は、クランプレバーのトルクを調整することができるため、僅かの力で完璧な操作ができるような調整が可能です。加えて、マウントレール側にはレールへ並行に位置するスタッドが備わり、ベースレール側にある溝にピッタリと収まることで上下レールは正確に固定されることになります。クランプ後、前方と後方のスタッドは横方向のアライメントとして機能します。この構造により、上下レールのガタつきが最適に吸収されます。

 

フィールドテストでは、リングに取付けたLeica ERi 3-12x50と、インナーレール式のZeiss Victory HT 2.5-10x50Blaser R93, バレル7mmにマウントし、.340 Weathrby Magnum9.3x64 ライフルカートリッジを用いました。

 

デントラーベイシスは射撃時の衝撃耐性に極めて優れているマウントであることを証明してくれました。オリジナルのBlaserサドルマウントよりもBlaser R93のそれは5㎜ほど高いのですが、修正は必要有りませんでした。距離100m5発の射撃、ライフルスコープの付け替えを4回行いました。結果は19㎜のグルーピングでした。続けて、スコープの付け替えを射撃ごとに行い、計10発の射撃を終えた結果のグルーピング19㎜。この結果だけで十分でしょう。

 

モジュラー式のライフルスコープマウンティングシステム、デントラーベイシスはライフルスコープを含む幾つもの光学機器を1挺のライフルで使用することを可能にしています。例えば、高倍率ライフルスコープをハイシート猟で使う場合、低倍率スコープ又はドットサイトを巻き狩り猟に使う場合などです。

 

デントラーマウントの外観は好みにもよります。確かに、デントラーマウントの良質なスチール部品はプラズマ窒化による表面硬化とアノダイズド、アルミ製部品についてもハードアノダイズドが施され、総じてライフルとライフルスコープとの一体感が現われています。しかしながら、デントラーマウント最大のアドバンテージは絶対的な再現性、高精度な射撃性と際立つ射撃衝撃耐性です。デントラーベイシスは、銃器とライフルスコープを繋ぐ安心感をユーザーに約束すると同時に、常に100%の能力を引き出す銃器システムを実現するものです。

 

ライター:Roland Zeitler

【デントラーマウント製品ページ】



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