日本語訳テストレポート

デントラーマウント

ここでは、海外で活躍をする日本の光学機器メーカーのライフルスコープ製品レビューをご紹介をさせていただきます。ここで紹介させていただくレビューは、ドイツ狩猟専門誌に掲載され、著名なドイツ人ライター様によって準備されたものが中心になります。

 

ドイツ語から日本語へ翻訳したテストレポートについては、ライター様から許可を頂戴したもののみを掲載させていただきますが、テストレポートの著作権(写真を含む)は全てライター様に帰属しますので、記事の2次転用はについては、直接ライター様へその許可をご確認をいただくことになります。

ご注意ください。

こちらのテストレポートは、2021年6月に出版されたドイツ狩猟専門誌へ掲載されたものです。

モジュラー式のデントラーマウント

モジュラー式のデントラーマウント:1本のスコープを複数の銃器で使用。― 使えるぞ!

 

ライター: Jorg BAY

スコープを2挺の銃で使う

ライフルスコープを2挺のライフル銃で運用することは大きなチャレンジです。

正しい方法に則ると、この行為を行う場合、スコープ付け替え後に試射をすることでのみ成立します。広く知られている方法としては、ウィンデージとエレベーションにマークをつけておく、例えば調整ツマミに目印を付けておく方法です。但し、このやり方には潜在的なユーザー側の混乱、不確実性のリスクが潜んでいます。デントラーはこの問題を認識し、デントラーバリオを用意することで問題への解決方法を見出しました。

 

高さと水平方向の調整を可能とするベースマウントをライフル銃に取付ける。

この方法により、スコープではなく、マウントのベースレール側で着弾点の補正が可能になります。一度取付けてしまえば、ライフルスコープは2挺、或いはそれ以上のライフルで使用することが出来るようになります。ベースレールは常に各銃に取付けられたままです。着弾点は銃それぞれで調整されているため、弾は常に定まったポイントに着弾します。

 

構造原理

デントラーシステムを構成する2本のレールは、ピンを介して互いに接合されます。ライフル銃のモデル毎に用意されているベースレールは、常にライフルに取付けられた状態です。ベースレール(下側)は、ライフルスコープを取付けるマウントレール(上側)を保持するマウントとして用いられます。マウントレールには、インナーレール式、リング式、その他の光学機器(ドットサイト、オープンサイト等)も使用できるようになっています。上下モジュールを組み合わせると、一つの堅牢なユニットを形成します。

  

マウントレールには2本の並行するクリート(爪)が備わっています。それら2本のクリートは、ベースレール側にある対応する溝にピッタリと収まります。上下モジュールのロックは、ベースレール側にあるツマミを180度回転させることで完了します。マウントレールにあるピンがベースレール穴へ入り、ツマミの180度回転で上下がロックされると、全軸方向に対しセンターが整えられます。この機構がライフルスコープを常に同じ位置で正確に固定することを確実なものにしています。

 

ベイシスとバリオ


ベースレールには2種類あります:ベイシス(写真左)とバリオ(写真右)です。

 

ベイシスは、1挺のライフル銃に複数の光学機器を用いたい場合に使用します。一方、バリオの場合、1本のライフルスコープを複数のライフル銃で用いたい場合に有効です。1挺目のライフルにはベイシスを取付け、バリオは2挺目のライフルに取付けます。2挺目のライフルでは、バリオの調整機構で着弾点を調整します。著者はかなり厳しくこのテストを実施しました。

 

フィールドテスト

テスト実施に際し、デントラーマウントの柔軟性を試す為、新品のライフルは意図的に使わず、古いハンティングライフルを用意しました。Sauer 200.20-06 Springfield キャリバーと、ベルギー製Mauser K98. 7x57キャリバーを使用しました。ライフルスコープには、イルミネーション付きKAPS 3-12x56を選びました。ベイシスをSauer 200に取付け、Mauser K98にはバリオを取付けました。

 

Sauer 200で距離100mの射撃を行いました。続けて5発を試射しましたが、ライフルスコープを毎回取り外し、再び元へ戻すという行為を繰り返しながらテストを実施しました。ベイシスを使ったこの試験では、デントラーマウントが射撃時の衝撃にも強く、射撃精度の高い再現性を有することが証明されました。グルーピングは2スイスフランで隠れるサイズです。

 

私の好奇心から、巻狩り用として用いるKAP 1-4x24と、ATN X-Sight 4K 3-14倍 デジタルナイトスコープを用い別のテストを行いました。

 

結論は一貫して評価できる内容です:一般的なスコープマウントとしての評価ですが、デントラーマウントシステムは衝撃耐性に強く、高い射撃再現性を証明し、複数の光学機器をライフルに取付けるマウントとして優れた製品といえます。精密、且つ絶対的にストレスフリーな上下モジュールの組立、そしてスコープの簡単な取付けと、ベースレールにあるツマミを180度回転させることで完全に固定される機構など、これらは強調されるべき点です。

 

バリオを使った射撃テスト

バリオを使うことで、スコープに備わる調整機能(ウィンデージ/エレベーション)を使うことなく、ライフルスコープのエイムポイントを調整することが可能です。距離100m先において、左右は1.5m、上方向2m、下方向へ50㎝の範囲で着弾点調整をすることができます。一般的には、これだけの調整可能幅があれば十分です。この調整は簡単ではないため、銃砲店で行ってもらう方が良いかもしれません。著者が実践した最も簡単な方法は、ガンレストにライフルをクランプ固定し、試射を繰返しながらゼロインを整えるやり方です。

 


少しセンスがある方であれば、バリオの調整は普通のシューターでももちろん可能です。但し、多少の時間と忍耐が要求されます。先ずは、ボアサイターなどを使って、あらかじめライフルスコープと猟銃の簡易的なアライメントを済ませておくことで、試射1発目を的に合わせることが出来るため、このやり方がおすすめです。

 

まとめ

実際の試射で分かったことは、デントラーマウントシステムを使うことで、1本のライフルスコープを1挺、或いはそれ以上の猟銃に載せて使用することができ、故に正確な射撃再現性は安心にも繋がります。現在では、多くのハンターがデントラーマウントのバリオを使っています(バリオは全ての一般的なライフル銃モデルに対して用意されています)。

 

堅牢かつ、精密な構造を有するデントラーマウントシステムは求めやすい価格であり、掛け値なしに推薦できるマウントです。猟銃1挺にライフルスコープを1本、2本、あるいはそれ以上を取付けたいと願うシューターには、デントラー以上のマウントシステムは見当たらないでしょう。

 

ライター: Jorg BAY


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日本語翻訳完了いたしました。



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