日本語訳テストレポート

デントラーマウント

ここでは、海外で活躍をする日本の光学機器メーカーのライフルスコープ製品レビューをご紹介をさせていただきます。ここで紹介させていただくレビューは、ドイツ狩猟専門誌に掲載され、著名なドイツ人ライター様によって準備されたものが中心になります。

 

ドイツ語から日本語へ翻訳したテストレポートについては、ライター様から許可を頂戴したもののみを掲載させていただきますが、テストレポートの著作権(写真を含む)は全てライター様に帰属しますので、記事の2次転用はについては、直接ライター様へその許可をご確認をいただくことになります。ご注意ください。

こちらのテストレポートは、2014年3月に出版されたドイツ狩猟専門誌へ掲載されたものです。

ロングレンジ

少なくとも、400mから1500mの距離は.338 Lapua Magnum Cartridge の射撃領域です。米国の銃器製造メーカーであるH-S Precision社(外部リンク英語)は、ハンターへ向けてアピールをするべく、この目的のためにライフル銃を市場投入します。しかしながら、ここドイツにおいては、これはかなりのマニア向けライフル銃です。

 

ライター:Norbert Klups

北米の製造メーカーH-S Precision社のThe Professional Hunterは、狩猟用モデルとして設計されていますが、.338 Lapua Magnum と高精度加工により、この派生モデルは既に特別なプレシジョンライフルと肩を並べるほどのライフルに仕上がっています。

 

H-S Precision社は、プレシジョンライフル製造における数あるパイオニア企業のひとつです。得意分野は、アルミニウム製のべディングブロックが収まったケブラーベースの樹脂製ストックです。レミントン、ウェザビー、ルガー、サベージ、あるいはウィンチェスターなどの大手の米国銃器メーカーは、H-S Precision社のストックを彼らのトップモデルに採用しています。H-S Precision社は、1978年、サウスダコタ州のラピッドシティーにTom Houghton氏により創設されました。

 

H-S Precision社は、自社製ライフル銃に初めて精度保証を謳ったメーカーのうちのひとつでもあり、しかもその保証を事業開始時から行っていました。その精度保証データは、他の銃器メーカーではよくある、いわゆる〝ファクトリーカートリッジ″ を用いたデータではなく、各ライフル銃に対してのターゲットショットデータに加え、自社内で用意するターゲットショット用の弾薬データも含まれます。

 

狩猟用のリピーター銃から、.300 マグナムカートリッジまで、H-S Precision社は3ショット、1/2MOAグルーピング(1.5cm)を保証しています。幾つかの競技用モデルでは、5ショット、1/4MOAですら保証をします。ライフル銃 .30キャリバー以上には、1MOAグルーピングが保証されています。

 

ボルトアクションライフルは、セミカスタム銃として製造されます。例えば、小型のライフルシリーズなどは、ユーザーの要望を考慮に入れ組み立てられます。ストック、バレル長さ、バレル形状、外観、アクセサリーに至るまで、幅広い選択肢の中からユーザー独自のライフルを組上げてもらうことが可能です。

 

システム

H-S Precision社の主力モデル、Pro Series 2000にはロングと、ショートバージョンが用意されています。PHはハンティングモデルとしての〝Professional Hunter″ を意味し、PHL(〝Professional Hunter Lightweight″)は特に軽量化されたマウンティングハンティングバージョンという意味です。

 

我々がテストを実施したライフルはヘビーウェイトのモデルです。4.1㎏の本体重量ですので、モデル名に〝L(Light:軽量)″は含まれていません。このモデルは、プレシジョンハンティングライフルですが、ロングレンジかつ、ハードゲーム用になります。ここで用いる〝ロングレンジ″の定義は、射撃距離400m以上とします。これ以下の射撃距離においては、.338 Lapua Magnumキャリバーは不必要です。

 

H-S Precision社が採用する製造方法は、今日では見かけることは少ない伝統的な手法です。レシーバー部は直径34.4㎜スチール材のブロックから切削加工されます。構造面については、レミントン700のシステムが用いられています。

 

アクション部の外側形状は丸く、リコイルプレートはバレルと機関部の間に置かれ、レシーバーヘッド側にある2つの巨大な突起を介してロックされます。レミントン700のスコープマウントベースは、ネジ穴とスペーシングという点ではフィットしますが、レミントンに使われる6—48ネジでは細いため、H-S Precision社は8—40のUSネジを採用しています。

 

ボルトの遊底はチェンバーヘッド奥に配置されているため、カートリッジのリムはセキュアに閉じられます。大型のエクストラクターがボルトに埋め込まれています。反対側には贅沢なスプリングローデッドのイジェクターピンです。後方へカーブしたボルトハンドル部は直径18㎜の滑らかなボールで、トリガーとほとんど同じ高さに位置しています。

 

スリーポジションの安全ロックは、ボルトの右後方部に位置しています。ロック状態では、ファイヤリングピンとチェンバーがブロックされます。真ん中位置では、チェンバーロックは解除されます。安全ロック機構は綺麗にそして静かに操作ができます。ハンティングライフルにとって、このデザインはマニュアルコッキング式の最善の代替銃です。

 

ロックブラケットは後方ラグのシャフト左側にある窪みにあります。この部分は偶然の誤操作に対して十分に保護されていながら、かつ、簡単な操作が可能になっています。マガジンはスライド挿入式で、3発のカートリッジを収納できます。マガジンを本体に取付けると、下側がストックから少しだけ突出し、その部分は丸みを帯びています。ショルダーストップ付きのシングルマガジンはスチール板製で、マットブラック仕上げです。

 

トリガーシステムはSHILEN、JEWELLのマッチトリガーではありませんが、独自仕様のトリガー機構は、極めてシンプルで分かりやすく、非常に丈夫な作りのため、酷使しても壊れることはありません。このようなクリスタルクリアーなトリガーの特性と、1㎏に満たない抵抗を実現するためには、丁寧かつ注意深い研磨と調整が求められます。これは信頼性を重視し設計されたトリガーです。仮に更に軽いトリガー重量を希望するなら、マッチトリガーを取付けることも可能です。レミントン700にフィットするマッチトリガーであれば使うことができます。

 

マズルブレーキ付きのバレル

初めのうち、重量4kgのライフルは、異なる地形で使われるハンティング向けの猟銃としては非常に重いだろう思っていました。しかし、ロングレンジ向けの強力なカートリッジとの使用では、軽量過ぎてしまいます。マズルブレーキ無しでは機能せず、ゆえにマズルブレーキは銃の一部分なのです。H-S Precision社は、エキスパートの人々からは大変精密とされる、今日ではあまり見かけることが少ない方法でバレルを製造しています。416Rグレードのスチール鋼材がバレルには用いられています。テストに用いた銃には、フルーテッドが施されたマズル直径19㎜の66㎝長のバレルがついていました。これにより軽量化と、熱の消散が改善されます。マズルブレーキには直径4㎜の穴が2列、後方へ向けて空いており、アングルが掛かった15㎜長のスロット穴が5つ付いています。マズルブレーキとバレルはマットブラック仕上げで、テフロン加工が施されています。

 

全体としては、マズルブレーキを入れてバレルは71㎝長です。このバレルからすると、ライフル銃の全長は123㎝となり、従って取り扱いが容易ですが、.338 Lapua Magnumといったカートリッジを使うには最低のバレル長さが求められ、この銃は丁度ギリギリその長さを満たしています。このキャリバーを用いる多くの軍用銃器はもっと長いバレルを有しています。ショートバレルド .338 Lapua Magnumが全くの的外れという理由は、キャリバーのパフォーマンスが発揮されることはないからです。

 

H-S Precision社のストックは、ケブラーとファイバーグラスで出来ており、非常に壊れにくいという評判です。ブラックストックの表面は、全体的に少しざらざらした感じになっています。ストックはストレートバックで、チークピースはフラットです。ピストルグリップは長く、フラットな角度が付いています。安全に握るには、少なくとも中くらいの手の大きさが必要になります。20㎜厚のソフトなラバーパッドで仕上げられており、その幅は44㎜もあります。故に、シューターの肩へのリコイルを広い範囲で分散させることができます。

 

ライフルスコープ越しに快適に狙えるようストックは設計されています。フォアエンドスリムで、握りの部分はやや丸みを帯びています。この点は、下面が平らな方がベターなマウント射撃には適していませんが、そうした銃器は多くの場合バイポッドから射撃されます。従って、H-S Precision社はスリングスイベルをフォアアームに装着していますが、当然ながら、ライフルスリングでも快適に携帯するため、もうひとつのスイベルはかなり後方に付いています。

 

ライフル銃は、アクション機関部がストックに余計なテンションが加えられることなく埋め込まれてこそ。正に正確な射撃が可能になります。この点において、H-S Precision社は機関部が横たわる部分に多くの先駆的な技術を刻んできたのです。1981年以来、アクション機関部を乗せるストックにアルミブロックを組み込んでいます。このアルミブロックはアクション機関部底面の陰画として設計され、テンションが全く掛からない装着を可能にしています。アルミブロックの中には、2本の機関部固定用ネジのためのスペーサーチューブが通ります。

 

ライフルスコープとマウント

ライフルはグスタフイェーン社からブシュネル エリート6500ライフルスコープ、2.5-16x50と共に提供されました。スコープはイルミ付きレチクルを備え、輝度調整装置は接眼部に付いています。パララックス補正は15m~無限遠にまで設定が可能で、ツマミは本体チューブの左側に付いています。レチクルは4A、第2焦点面です。テスト射撃では、ライフルスコープはクリアかつ、シャープな見え味でした。スコープにトンネルエフェクトは確認されず、レチクル調整機構は正確、容易にゼロインが整いました。今回のようなパワフルなキャリバーを使う場合、アイレリーフ100㎜は快適です。

 

ブシュネルにはデントラーマウントのベイシスが使われました。これは2つのマウントから構成されるスコープシステムです。ベースレールには焼入れされたスチールが用いられ、特定の銃器モデルのレシーバー部に対応したベースレールを銃器側に取付けます。

 

上側のマウントレールには、高強度アルミニウム、又はスチール製のリングが共通のレール向けに取付けられるようになっています。下側のベースレールには、2つの相対する溝が施され、上側のマウントレールにはこの溝を掴む2つの爪が付いています。ベースレールの中央には穴が空き、上側のマウントレールから出ているピンをこの穴に合わせることで上下のレールは合体します。ベースレール左側にあるツマミを回すことでピンが固定されます。2つのレールを互いに合わせ、ロックをすると、完全にセンターで固定されます。テスト射撃のあいだ、キャリバー .338 Lapua Magnumを使用し続けましたが、全く問題はありませんでした。

 

シューティングレンジにて

100m射撃レンジでは、提供されたLapuaカートリッジに250gのScener弾を使用し、5発を射撃、12㎜のグルーピングという結果でした。しかしながら、このようなライフルでは100mは意味のある射撃距離ではありません。300m射撃レンジでは、Hornady、LapuaカートリッジとWR弾(Wolfgang Romey)が使用され、44㎜のグルーピングという結果でした。

 

残念ながら、ドイツでは300mを越える距離の射撃を許可している民間向けシューティングレンジは殆どありません。しかしながら、H-S Precision社の精度はポテンシャルは素晴らしく、.338 Lapua Magnumは距離300mでも4500J以上のエネルギーでターゲットに届きます。

 

結論

H-S Precision社のプロシリーズ2000LAは、高精度かつ堅牢なライフルです。遠距離でのハンティングを想定していますが、その射撃精度は常に本格的なプレシジョンライフルに匹敵するものです。今回試射したライフルは、フルーテッドバレルなどの追加装備により、4750ユーロです。しかしながら、300mの距離で5㎝以下のグルーピングサークルという結果、かつ、この距離でターゲットまで十分なエネルギーを届けるライフルはどこにでもあるわけではありません。

 

ライター:Norbert Klups

強力かつ精密

 プレシジョンライフルに強力なキャリバー、高倍率スコープ。ブシュネル2.5-16x50はデントラーマウントを使ってライフルに取付けられています。

納得

シンプルかつ、調整が可能なトリガー設計は優れた特徴です。

 

3ポジション(Fire, Safe, Bolt Lock)の安全装置がボルトの右側に備わっており、撃針をブロックしています。

ボルトリリースはストック左後方にあります。撃針ナットの赤点はコッキング状態を意味しています。

長さ5㎝のマズルブレーキには2列に直径4㎜の穴が後方向きに配され、その先に長さ15㎜のスロットが5つ付いています。

スチール製マガジンは3発のカートリッジを収納します。撃針部の遊底はかなり後方に配されており、イジェクターボルトは非常に頑丈です。

ボルト部のエキストラクターには2つの大きなロッキングラグが付いています。

ショルダーストップが付いたシングルマガジンの外観はマットフィニッシュです。マガジンを本体に取付けると、マガジン前方は少し大きく感じられます。マガジンのリリースボタンはトリガーガードの内側に配置されています。

システムはアルミニウムブロックの上に埋め込まれています。このブロックの形はアクション機関部底側の丸形形状と正確に一致しています。

デントラーマウントベースを銃側に取付け、マウントレールに取付けたライフルスコープを合体させます。

レミントン

アクション機関部の形状は丸みを帯びています。リコイルラグはバレルとアクション機関部の間に配置されています。

集弾

距離300m、5発の弾穴は直径44㎜円に収まりました。

Powr.io content is not displayed due to your current cookie settings. Click on the cookie policy (functional and marketing) to agree to the Powr.io cookie policy and view the content. You can find out more about this in the Powr.io privacy policy.

【デントラーマウント製品ページ】



【関連テストレポート】




デントラーマウント

日本語翻訳完了いたしました。



デントラーマウントシステム

日本語翻訳完了いたしました。