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その①、1MOAと距離。そろそろ狩猟シーズンの準備です。

今回のブログテーマは ❝1MOAと距離❞ です。

このキーワード、これまでまったく気にしたこともないというハンターの方々は少なくないかもしれません。事実、デュープレックスやG4といったレチクルには指標といった目印はなく、一度スコープのゼロインを済ませてしまえば、それっきりの方もいらっしゃいます。

 

そこで今日は、だれでもわかる1MOA。という点を意識しながらBlogを進めて参ります。

 

【1moa の前に】

1MOAとは、Minute Of Angle の頭に数字のが付いたものの略です。

 

狩猟シーズンを前に新しいスコープや猟銃を揃える方、使い慣れたライフルの点検と調整など、お手元にあるライフルスコープを射撃場で調整する際、ブログ内の豆知識が少しでも助けになればと思います。

 

それでは行ってみます。

ライフルスコープにはウィンデージとエレベーションという調整機構が備わっています。

 

一般的なツマミには、1クリック当たりの移動量が 1/2、1/4、1/8、MOA などとアルファベットで表記されています。余談ですが、中にはロングレンジ向け1/16 MOAといった移動量を備えたスコープも見かけます。

 

このツマミを微調整しながらバレルから放たれた弾の着弾点と、スコープのサイトラインを合わせていく作業(ゼロイン)を射撃場で済ませるまでを目標に、MOAを絡めながらBlogを進めて参ります。

【ボアサイティング】

ご自身でゼロインを済ませる場合、射撃場へ行く前に、ボアサイティングを済ませておきましょう。一見むずかしそうですが、射撃場へ行く前に準備を整えておくことで、現地での調整に掛ける時間の短縮に加え、調整の難易度を下げることが出来ます。

 


スコープを猟銃に取付けた後、先ずはボアサイティングを済ませておきます。ボア(バレルの穴)とスコープのレチクルをアバウトにあわせておくだけの作業です。

 

従いまして、このあとには射撃場で必ず試射を行い、ウィンデージ/エレベーションを使って最終的なゼロインを行って下さい。

 

いきなりスコープを適当に銃に取付けて、射撃場で使用すると、出禁では済まされない事故を起こす可能性がありますので、十分にご注意を。

 

【射撃場へ】

それでは先へ進んで参ります。

 

一通り事前の準備を済ませたとして、いざ射撃場です。

 

ちなみに写真は1/8MOAのツマミですが、射撃場において着弾点を1MOA動かすための表示MOAツマミ別のクリック数は以下の通りです。

 

1/2の場合:2回クリックで1MOA

1/4の場合:4回クリックで1MOA

1/8の場合:8回クリックで1MOA

 

上述を踏まえて先に進みます。

 

100m、或いは50mなど、ゼロインを行う距離によって1MOA当たりの移動量は異なります。

 

【さぁゼロイン】

100m先でゼロインを行う場合はシンプルです。 

厳密には1MOAは3㎝以下とされていますが、狩猟の場合、1MOA=約3㎝でも特に大きな問題はありません。

 

このあたりのクリック数と移動量については、100m、200m、300mと異なる距離におけるホニャララというBlogで以前取扱っておりますので、こちらをどうぞ。

 

ボアサイティング(ボアサイターを使った過去Blog)を済ませてもなお、射撃場での1発目着弾点が狙点から激しくズレている場合、色々な原因が考えられますが、スコープについて言えば、取付け過程に何らかのエラーがあるかもしれませんので、マウント(猟銃のレシーバー側も含め)、スコープ、取付けの再チェックをお勧めします。 

それでは50mでのゼロイン。 

100m先で1MOA=約3㎝だった移動量ですが、半分の距離50mになると移動量も半分になります。これはMOA(Minute of Angle)が弧(アーチ)、又は円を分(Minute)という単位を用い表されている角度だからです。脱線しますが、宇宙や星といった天体分野では、arc second という更に細かな角度を表す単位(秒角)が用いられています。

従いまして、1MOAというのはある地点から宇宙の彼方へまで行っても1MOAなのですが、その途中の距離に応じ1MOA当たりの幅が異なってきます(図参照)。100m先の1MOA=約3㎝が、50m先では約1.5㎝となるのはこれが理由です。

 

気が付くと、今回は非常に長いブログになってしまいましたので、急遽2部構成にさせていただきます。前編その①では、MOAについて何となく ❝あぁーそうなのね❞ と理解を助ける資料になれば幸いです。

 

後編その②は11月2日(水)を予定しております。今回もここまでお付き合いをいただきありがとうございました。

 

InstagramSNSにて情報発信もしておりますのでよろしくお願い申し上げます。

 


【距離計を内蔵したドットサイト】

狩猟における実際のフィールドでは、標的までの距離を知っているか否かで、得られる結果に大きな違いが現れます。

 

DoRaSight(ドラサイト)は、レンジファインダー内蔵型のドットサイトです。つまり、ドットサイトの赤点を覗きながら、視点の移動で標的までの距離が判る。測定可能な最大距離は800メートル