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今回はボアサイターを使ったライフルスコープのボアサイティングです。ライフルスコープを銃へマウント(こちらの記事は準備中です)した後、ボアサイティングを行います。この作業をご自身で行う場合、先ずはお手元の銃が脱包状態であることを確認することに加え、如何なるタイプの銃であれ全ての安全確認は必ず行ってください。
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いざ本題です。
注意が必要なのは、ボアサイティングを済ませたといっても、射撃距離100メートルでゼロインを済ませたという意味ではありません。少なくとも的の何れかの場所には当たるであろうという程度の精度です。従いまして射撃場では、距離100mでゼロインを済ませる前に、25m、50mと順に精度を高めながらゼロインを行うことが推奨されます。
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それではボアサイティング(名詞形)です。ボアサイト(動詞形)、ボアサイター(器具の固有名詞)など、これら外国語ですが、バレル穴を覗きその中心に的の中心を入れる。といったニュアンスになります。簡単な作業にも聞こえますが、この作業の前までにライフルスコープの銃へのマウントが正しく行われている必要もあり、実際にやってみるとそうでもありません。ライフル銃は別として、空気銃など、バレル穴を覗くことが出来ない銃もあります。作業には写真にあるボアサイターと呼ばれる専用ツールを用います。ボアサイターにもレーザー光線を用いたタイプなど様々な種類がありますが、今回は古典的なタイプを用います。
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このボアサイターにはグリッドが施されたレチクルが内蔵されています。ボアサイターの1目盛りは4MOAです。左はボアサイターを空気銃に取り付けた直後にレチクルを覗き込んだ写真です。このライフルスコープは専用の取付けジグを用いて銃へのマウントを済ませてありますが、ボアサイティング前の状態では、バレル射線(背後のグリッド中心)とスコープのサイトライン(レチクルの赤色照明ドット)がずれていることが分かります。最近では、ご自身でスコープの取り付けを行う方は少なくはないと思いますが、ボアサイティングを怠ってしまったことで実際に射撃場で事故を起こし、出入禁止になってしまった方もいらっしゃいますのでくれぐれもご注意ください。
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この写真の読み取り方ですが、スコープのレチクルに対し、その後ろに見えるグリッドレチクルがバレルの射線です。ボアサイターが正確にバレル先端に取付けられているとすると、ライフルスコープのサイトラインは、バレルの射線中心から右方向に3MOA、下方向に3MOAずれているということが言えます。
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少し拡大してみます(クリックすると拡大)。
この状態で射撃場で試射を行うと、理屈では、距離100m先において POI(着弾地点)に3MOAのズレ(*ここで1MOA=約3cmと仮定すると、着弾点では縦横方向に3cm x 3 = 約9cm)が発生することになります。50m先では約4.5cmのズレということになります。
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ボアサイティングでは、射撃場での試射前までに済ませる仮のゼロインとして、このズレを簡易的に補正する作業を行います。
ウィンデージとエレベーションを片方ずつ回し、バレル射線とスコープ視線のアライメントを取っていきます。左写真がボアサイターを用いてアライメント行った仮の完成形イメージです。この作業過程においては、ウィンデージとエレベーションを多く回転させることになるため、あとの作業工程で始点位置をリセット(ゼロリセット)する必要があります。
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保護キャップを取り外したエレベーションつまみです。ビクセン6-24x58の場合、六角レンチで銀色の止めネジを外します。目盛りが刻まれたツマミは上方向へ引き上げるとスッと外せますので、ツマミのゼロが刻まれたポイントをスコープ本体の始点位置(”ー”と表示)にあわせてツマミを戻します。止めネジを元に戻し、固定して終了です。
アドバイス:ゼロリセットの作業は、射撃場で最終的なゼロイン作業が完了したあとに行うと2度手間になりません。
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保護キャップを取り外したウィンデージつまみです。ウィンデージつまみも上述手順と同様です。六角レンチで銀色の止めネジを外します。目盛りが刻まれたツマミは横方向へ引き出すとスッと外せますので、ツマミのゼロが刻まれたポイントをスコープ本体の始点位置(”ー”と表示)にあわせてツマミを戻します。止めネジを元に戻し、固定して終了です。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=322x1024:format=jpg/path/s571511deba31c732/image/i34e71b73be664808/version/1625571771/image.jpg)