その❷ライフルスコープを傾ける?どうゆうことですか?

前回ブログの続きです。

前の記事では、傾斜マウントを用いることの効果という所で終わりました。今回はライフルスコープを傾けるところから話をスタートしてみます。それではいってみます。

 

【ライフルスコープを傾ける】

上イラストについての説明です。

ここでは固定式傾斜ベースレールが取付けられた状態と仮定します。

 

この状態でライフルスコープのレティクル中心にターゲットを捉えようとすると、シューターは手に構えた猟銃のバレルを、結果として自然と上方向へ僅かに傾ける動作を取ることになります。バレルから射出される弾は緩やかな放物線を描きながら遠い地点Bへ着弾します。こうして通常よりも遠い距離でゼロインを行うことがでるようになります。これがライフルスコープを意図的に傾け、猟銃に取り付けることで得られる成果です。

 

一方でデメリットもあります。ターゲットまでの距離がゼロインした距離よりも近い場合ホールドアンダーという射撃動作が必要になります。

 

【ターゲットがゼロイン手前位置の場合】

上のイラストについて簡単に説明します。

ターゲットがゼロインした位置よりも大きく手前にあります。上図の状態で射撃したとすると、弾はターゲットの上をすり抜けていきます。理由は、傾斜マウントを使い、今見えている手前の的地点よりも遠い距離でゼロインを済ませている為です。

 

【ホールドアンダー】

上図の場合、弾道がスコープのサイトラインよりも上にあるため、今度は逆にバレルを僅か下方向へ傾ける(*レティクル中心ではなく、レティクルの上ポスト付近に的を捉える)という射撃動作(ホールドアンダー)が求められます。

 

実際のフィールドでは、ターゲットが常に一定の場所に留まっていることは無く、その距離も毎回ことなります。故に、瞬時に対応が可能な射撃動作を体得するためには、射撃場で地道な訓練を重ね、経験と感覚を体に覚えさせる以外なさそうです。日々の射撃訓練が可能なハンターであれば、フィールドでも直観的に即時反応が可能かもしれません。しかしながら、図解の要領で体得できるほど簡単な射撃技術ではありません。

 

でも大丈夫。解決方法をご用意しています

 

エラタック アジャスタブル傾斜マウントです。ここで言うアジャスタブルという意味は、傾斜設定の調節が可能ということです。ここが傾斜固定式のベースレールとの決定的な違いです。

 

【解決方法】

エラタック傾斜マウントを所有するスコープに取付けます。猟銃への固定は、ピカティニーレール式に対応している猟銃であれば大丈夫です。固定方式は、クイックリリース式、或いはナットネジ式が用意されています。

 

ゼロインは、所持する猟銃に合わせお好みの距離(例:30m、50m、100m)にて射撃場で試射を済ませます。例えば、プリチャージ式を例に取り、距離100m先の的を狙うとします。スコープを覗き、レティクル中心に的を捉えて引き金を絞ります。すると、ペレットは的の中心よりも30㎝、40㎝、或いは50㎝下方付近に着弾したと仮定します。この場合、もし距離100m先で30㎝の着弾点補正であれば10MOAにダイヤルを合わせることで、着弾点を的中心に寄せることが可能です。

 

このあたりのダイヤルを用いた設定については、こちらでご紹介をさせていただいたおりますのでご参考にどうぞ。

 


エラタックの場合、0-70MOA又は、0-25Mradの範囲で段階的な傾斜調節が可能です。

 

つまり、上述で説明した射手の技量に依存せざるを得ない部分、一方で、訓練の経験値が圧倒的に足りないハンターが解決したいこの課題を、着弾点補正システムとして猟銃に常駐させておき、状況と必要に応じて任意傾斜を呼び出したり、或いは、傾斜ゼロへ戻したりすることを可能にするスコープマウントという事です。

 

【空気銃ユーザーはその効果を即時体感】

日本国内においては、装薬銃よりもむしろ空気銃、プリチャージ式、スプリング式を問わず、エアライフルユーザーはこの傾斜マウントの有効性を瞬時に体感することが出来ます。装薬銃を使って数メートル単位の着弾点補正が要求される場面は、射撃距離的にも日本国内における狩猟では現実的ではありませんが、ペレット弾において数十センチの補正 at 50m、或いは at 100m、というケースは少なくありません。

 

ゼロイン30m、でも50m先も狙いたいスプリンガーユーザー。ゼロイン50m、100m先を狙いたいが数十センチの落下補正に悩むプリチャージユーザー。皆さんが抱える共通の関心事は、ペレットの弾道落下への対応ではないでしょうか。

 

【エラタックは1インチにも対応】

狩猟に使用されているライフルスコープはハンターにより様々です。

30㎜径、34㎜径、あるいは、1インチスコープを好まれる方も少なくありません。エラタック傾斜マウントは、お持ちのスコープチューブ径に合った型式(30㎜ or 34mm)を選択することで簡単に取り付けが可能です。1インチユーザーについては、エラタック純正サイズダウンアダプターを用いることで、エラタック傾斜マウントの30㎜径を1インチ化(30㎜→24.5㎜へサイズダウン)させることが可能です。このアダプターは高耐久性樹脂ブロックからの削り出しのMade in Germanyです。この当たりは妥協知らずのドイツメーカーらしいところ。

 

【ダイヤル】

エラタック アジャスタブル傾斜マウントこのワンピース型のスコープマウントにはダイヤルが付いています。

 

一般的な傾斜マウント、或いはベースレールは、20MOAといった傾斜角度で固定されていますが、このエラタック傾斜マウントはダイヤルを回すことで傾斜角度(別の言い方をすると、100m先、50m先のエレベーション移動量)を0~70MOA、または0~25Mradの範囲で自由に調整をすることが可能です。ドイツ製のエラタック アジャスタブル傾斜マウントは、ダイヤルを使った任意の着弾点補正を可能にしていることにより、その見た目以上に使いやすいタクティカルなスコープマウントです。

 

 

【不確実性の排除】

近距離から長距離に射撃モードを切り替える場合、ライフルスコープに内蔵されているエレベーションを回して、そして戻してといった設定は不可欠です。射撃距離に応じて常にエレベーションを修正するこの行為は必須ですが、クリック回数を記録しておくことの煩雑さと、再設定の不確実性は常に存在し、これはハンターにとっても大きな不安です。エラタック傾斜マウントは、こうした不確実性に起因する不安からハンターを解放してくれる本格的な実用マウントです。

 

 

【ドイツ製】

エラタック傾斜マウントを製造する独レックナーゲル社は、1867年に創業したドイツの老舗マウントメーカーです。

 

マウントには、7075アルミニウムが用いられています。これは超々ジュラルミンと呼ばれるアルミニウム合金であり、クラス最軽量かつ最強度でもあります。このスコープマウントは、ミルスペック タイプ3に準拠したハードコートアノダイズド処理がマウント表面に施され、実際の使用においても、ドイツのヘッケラー&コッホ G28, 或いはヘーネルG29スナイパーライフル、HK MG5といった最高水準の軍用銃器で性能は既に証明されています。

 

エラタック傾斜マウントは、日本国内で所持が許可されている猟銃、エアライフルにはオーバースペック過ぎるスコープマウントかもしれません。しかしながら、弾道落下補正へのニーズは、シューターにとっての共通の悩み。日本で活躍されるハンターの皆様が求める要求にも、極めて高いレベルで確実に応えることができるのではないでしょうか。

 

 

結果として、前半と後半に分かれるブログになってしまいましたが、ライフルスコープを傾ける理由と効果について、限られた文字数ではあるものの丁寧に説明をさせていただきました。エラタック傾斜マウントについてのお問い合わせは、お取り扱い銃砲店様、あるいはこちらでも承っておりますので、お気軽におどうぞ。

 

今回もここまでお付き合いいただきありがとうございました。

 

次回Blogでは、エラタック傾斜マウントの拡張パーツについて触れさせていただく予定です。

 

InstagramSNSにて情報発信もしておりますのでよろしくお願い申し上げます。

 

【距離計を内蔵したドットサイト】

こんな光学機器もあります。

狩猟における実際のフィールドでは、標的までの距離を知っているか否かで、得られる結果に大きな違いが現れます。

 

DoRaSight(ドラサイト)は、レンジファインダー内蔵型のドットサイトです。つまり、ドットサイトの赤点を覗きながら、視点の移動で標的までの距離が判る。測定可能な最大距離は800メートル