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レチクルがぼやける。

今回のブログはライフルスコープの調整について触れてみます。

スコープを覗き込んだ際、標的あるいはレチクルが、それぞれ別々に浮いているように感じる、或いは、何かフワフワと動いていて狙いが定まらない…。ような気がする。それはライフルスコープに問題があるのではなく、スコープ内に並ぶレンズの各焦点面のフォーカス(*対物レンズ越しに捉えている標的の焦点を合焦させる焦点面と、レチクルの焦点を合焦させる焦点面)が合っていないことが理由かも。というBlogです。

 

【フワフワは何?】

ライフルスコープの場合、このフォーカスというのは、カメラのそれとは少し異なり、ディオプターと呼ばれる接眼部の調整部と、サイドフォーカス(又は製品によってはAO)を使って調整することができます。

 

スコープを覗いた際に、パララックスが発生しいている場合(対物レンズ側で捉えている標的に対し、内蔵のレチクルがフワフワと浮いているように見える状態、又はその逆)、この2つの異なる2地点にある像とレチクルのズレが原因です。

 

【パララックス】

この状態は一般的にパララックスと呼称されます。スコープのレンズ越しに捉えている標的(ここではイノシシ)が、焦点面の位置に収まっていないことが理由です。

 

接眼部側のレチクルのピントは、きちんと焦点面に位置している為、はっきりと見えています。

 

図の場合、対物側で捉えている標的のフォーカスが問題です。但し、焦点面のズレを整えることで問題は解消されます。

 

では、パララックスをどうやって整えるのでしょうか?

 

【サイドフォーカス】

左図の場合、レチクルのピントはディオプターでしっかりと合わせてある状態ですが、イノシシのピントはズレている状態です。

 

この逆、或いは両方ともピントがズレている場合、フワフワとした感じに見えます。この状態で射撃をすると事故を起こしてしまいますので、サイドフォーカスを使って第1焦点面で捉えている標的のピントを合わせます。

 

AOの場合は対物側のリングで調整します。

 

【ディオプターを整える】

スコープにはレチクルが内蔵されています。

 

ウィンデージ/エレベーションを使ってレチクルを上下左右へ動かすことはできますが、レチクル位置を物理的に前後移動させることは出来ません。

 

接眼部には備わっているディオプターリングを左右へ回すことで、レチクルのフォーカスを合わせることが出来ます。

 

このリングを回し、標的のフォーカスを合わせてしまうと、レチクルがボヤけてしまうため、標的のフォーカスについては、サイドフォーカス(倍率10x以上を備えるスコープには付いている機能)又はAO(アジャスタブルオブジェクティブ)の目盛りを標的までの距離に合わせます。

 

【まとめ】

サイドフォーカスを備えていない低倍率スコープ。多くの場合、メーカー側で設定するパララックスは距離100m調整されます。故に、この前後距離では少しボヤっと見えてしまう感覚を覚えるスコープもありますが、製造メーカーによってその程度は異なります。今回の纏めとしては、ディオプターとサイドフォーカスを使って調整をすればお困りの問題は解消できます。ということです。

 

今回はさっぱりと短いBlogになってしまいましたが、ここまでお付き合いをいただきありがとうございました。

 

夏が終わる頃には、来るシーズンへ向けて道具のメンテナンスの時期です。シーズンへ向け、年末へ向けてのブログは光学機器とマウントを中心に用意していく予定です。

 

InstagramSNSにて情報発信もしておりますのでよろしくお願い申し上げます。

 

【距離計を内蔵したドットサイト】

こんな光学機器もあります。

狩猟における実際のフィールドでは、標的までの距離を知っているか否かで、得られる結果に大きな違いが現れます。

 

DoRaSight(ドラサイト)は、レンジファインダー内蔵型のドットサイトです。つまり、ドットサイトの赤点を覗きながら、視点の移動で標的までの距離が判る。測定可能な最大距離は800メートル