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スプリング式空気銃 で射撃場50mレーンにトライ。その②。

年明けに埼玉県長瀞射撃場へ射撃テストに伺ったBlogを準備させていただきましたが、前回Blogでお伝えしきれなかったレポートの続きです。

 

スプリング式空気銃にも色々なタイプありますが、私が所持するドイツメーカー製のスプリング式について言えば、有効射程距離は30m程度です。7万円程度の価格は経済的である一方、ハイパワー空気銃がうたう50mや100mといった射程距離には程遠く、ハンターの高い要求には答えられませんが、スプリング式の魅力は堪能できます。

 

わたしはドイツメーカーの良い意味での頑固さと、品質に対する過剰なまでの神経質な気質が好きです。ドイツから手間と費用をかけて日本へ輸入するという面倒な手続きを経て現在狩猟用として所持しています。

 

一方で、こうしたスプリング式の空気銃を用い、仮に50m先の標的に当てようとする場合、なかなか当たらないストレスに加え、目的を成し遂げるまでには多少の忍耐力が要求されます。

 

30mを超えたあたりからの弾道落下は著しく、スコープ中心に狙いを定め引き金を絞るといった通常射撃の要領で標的に当てることは困難です。

 

銃を僅かに上方向へ傾斜させ、弾道落下補正を入れた状態で、かつスプリング式空気銃の特長といわれるダブルリコイルによる振動に対応しつつの射撃となるわけです。

 

しかしながら、弾道落下を体感できる貴重な機会が得られるのもスプリング式の醍醐味です。狩猟道具としてのスプリング式 空気銃が面白いと感じられる理由は、楽々と超えさせてもらいないハードルを何とか攻略していく過程と、問題解決時の達成感(ついに意図したポイントに着弾した…)、この辺りにあるように思います。

 

写真にあるこのマウントは、シューターの特殊な射撃ニーズに特化した製品です。

 

その特殊ニーズとは、超ロングレンジ射撃です。ロングレンジの更に先ということになります。米国で競技として競われるニッチな射撃分野のひとつ、超ロングレンジ射撃の定義ですが、的までの距離が1.8キロメートル以上(aprox:2000 yards)の射撃とされているようです。こうした競技に参加するシューターの方々も、もちろんスコープは使うのですが、エレベーションの移動量が絶対的に足りません。

 

そこで登場するのが傾斜マウントです。遥か遠く離れた標的へ着弾させるため、スコープを物理的に大きく前傾させる方法が用いられます。 ライフルスコープ自体では到底対応しきれないエレベーション移動量を、ハイライザーといったベースレールや、マウントの傾斜で補い、シューターが望むポイントへの着弾を可能にするというものです。日本国内において超ロングレンジ射撃は叶いませんが、これは空気銃にも通じるところが多々あります。

 

弾道落下補正がキーワード。

一部のハイパワータイプを除き、エアライフルを装薬銃と比較した場合、言うまでもなく空気銃は圧倒的にそれよりもパワーが劣ります。更にスプリング式空気銃については比較対象にはなり得ません。パワーが不足する分、例えば50mという射撃距離では、空気銃でもペレットのドロップ幅が一番著しいのはスプリング式です。

 

スプリング式空気銃で50m先の標的に着弾させようとする場合、上図写真にあるような位置(*私の銃では実際はもう少し上で保持する必要がありました)で、標的に対してスコープのレチクルを保持する必要があります。これはミルドットレチクルですが、レチクルによっては下側ポストのどの位置に狙点を合わせていいのか、アバウトになってしまいます。こうした場合、BDCレチクルの方が扱いやすいかもしれませんが、ミルドットレチクルユーザーの方でも心配ありません。解決方法はあります。

 

ということで今回、距離は50m、ライフルスコープに内蔵されるエレベーション移動量では補い切れないスプリング式空気銃のペレット落下幅(前回Blog参照)をこの特殊マウントで補完してみました。さて、それでは50mレーン試射の続きです。

 

使用したマウントはドイツメーカー、Recknagel社のエラタック アジャスタブル 傾斜 マウントです。

 

マウント本体には、ダイヤル調節式の傾斜機構が組み込まれています。0 MOA(傾斜無し)から始まり、最大で 70MOA までの物理傾斜設定を可能にしています。

 

このマウントを使うと、10MOA刻みで70MOAまでをダイヤルで調整することが可能です。一般的な傾斜マウントは、角度が一定の固定式ですが、これはアジャスタブルと呼ばれる可変タイプです。

  

POI(Point of Impact)調整幅について。

仮にこの場では1MOA at 100mを約3cmとして少し説明をすると、50m先のターゲットで0~最大105㎝(70MOA)100m先のターゲットで0~最大210㎝(70MOA)までの範囲で着弾点補正が可能ということになります。

 

これが意味することは、ライフルスコープに内蔵されているエレベーション移動量、例えばVixen アルテス 5-30x56 ELD20 であれば +/-50MOA ですが、アジャスタブルを併用することにより、追加で最大70MOAのエレベーション移動量が得られる(*設定によっては、合計120~170MOA)ということです。

 

つまり、所有するライフルスコープを問わず、エレベーションを後付けすることが出来る。更に、傾斜が必要ない平常時には、ゼロインを済ませたゼロ位置へ、ダイヤルを回してマウントをフラットな状態へ戻すことが出来る。というマウントが、アジャスタブルなのです。

 

*残念ながら、このマウントは、ピカティニーレールのみへの対応です。ウィーバーレールには対応していません。

 

さて、場所を射撃場へ移します。

 

傾斜ダイヤルを30MOA、40MOA、50MOAと回しながら試射を繰り返すと、着弾点が徐々に標的の上とへ移動していくことが体感として分かります。

 

以前のブログでご紹介をしたこちらの写真ですが、標的手前の砂山にペレットが着弾していた段階からは大きな進歩です。

 

下の標的は前回Blogにてご紹介したものです。

傾斜マウントを使っています。明らかな改善が見られますが、ペレットの着弾分布は左寄りです。この結果について後日いろいろと考えてみました。技術的な未熟さも勿論ありますが、もしかすると引き金を絞る時に銃を僅か左に傾けてしまう癖があるのかもしれません。

 

ということで空気銃(スプリング式)を用いた傾斜マウントのテストレポートでした。

今回も長いBlogになってしまいましたが、ここまでお付き合いをいただきありがとうございました。と、いつもはここで終わりなのですが、今日は続きがあります。

【重要なお知らせ】

この度、こちらの傾斜マウント、ドイツのRecknagel社製、EraTac アジャスタブル傾斜マウントの日本販売総代理店になることになりました。製品についての機能および詳細につきましては、専用ページ(2022年6月1日オープン)にてご確認いただけます。個人のお客様、銃砲店様、商品についてのお問い合わせはこちらから承っておりますので、お気軽にお問合せください。