ITR-6 というレチクル

ITR-6 (アイティーアールシックス)って何?

ドイツ狩猟業界光学機器市場において、数少ない日本ブランドのひとつであるビクセンには、少し変わったレチクルがあります。

 

ドイツのイノシシ猟では愛好家が多いビクセン ライフルスコープ 1-6x24 シリーズですが、ITR-6 という少し変わったレチクルが準備されています。こちらのレチクルはハンティングに用いられる一般的なデュープレックス、ジャーマン4、とは全く異なるタイプのレチクルです。

 

先のブログにてご紹介をしたBDC レチクルとも似て非なるレチクルですが、弾道落下補正の指標の使い方はBDC レチクルと同様ですので、一度理解をしてしまえばシンプルなものです。

 

こちらのスコープは、その特徴的なレチクルから海外では近距離と遠距離その両方の射撃性能を持つAR(アサルトライフル)のユーザーに支持されているようです。

 

上の写真は実際にスコープを覗き込んだ際の1倍時レチクルです(*照明装置付きですが、ここではイルミネーションは点灯させていません。照明点灯時は "レチクル全体の点と線" が赤色に光り、その輝度は10段階で調節が可能)。レチクルは第2焦点面、最大倍率の6倍で設計されています。

【目盛りの説明】

目盛りには、中心のドット直上から50ヤード(約45m)、中心100ヤード(約91m)、下方向へ200ヤード(約182m)、300ヤード(約274m)、400ヤード(約364m)、500ヤード(約457m)、600ヤード(約548m)、700ヤード(約640m)、800ヤード(約731m)と目盛りがつけられています。

 

300ヤード(約274m)以上の目盛りは、多少距離のあるターゲットを捉えるためのレチクルです。十字の水平方向にドットがありますが、これは弾道補正(風による影響)の為の指標となります。

 

【MOA と センチメートルの関係】

600ヤード(約548m)の目盛りを例に取ると、十字から水平方向のドットまでは10 MOA です。 1 MOA は100メートル先では3センチメートルであるため、10 MOA x 3センチメートル = 30センチメートルとなり、約548m先では、 30センチメートル x 5.48=" 約1.6メートル" となります。

 

同様に、800ヤード(約731m)先のターゲットに用いる指標では、十字から左右水平方向 へ15 MOA の位置にドットが刻まれています。

 

15 MOA x 3 センチメートル = 45センチメートルとなり、約731m先では、45センチメートル x 7.31 =" 約3.2メートル" になります。

 

【ウィンドドリフト】

左右下方向へスカートの様に広がるWind Drift用のポイント(風の影響による弾道の補正に使用)がレチクル上に表示されています。しかしながら、こちらのスコープを用いて600ヤードという距離のターゲットを狙う機会は多くないと思いますので、この点はあまり気にしなくてもよいと思います。

 

少し長くなってしまいましたが、以上が ITR-6 (アイティーアールシックス) レチクルについてのお話になります。ビクセンの1-6x24シリーズには ”ゼロプラス” ( ZeroPlus )という新型もあり、こちらについてもドイツからのフィードバックがあり次第ご紹介をさせていただきたいと思います。