レチクルのいろいろ

BDCレチクルって何?

BDC というレチクルがあります。”Ballistic Drop Compensating”の頭文字をとってBDCと名付けられています。日本語にすると、弾道落下補正です。

 

要は、既に土地勘のある狩場や、或いは初めて訪れる狩場などでレーザーレンジファインダー(距離測定計)を用いてシューターからの距離が掴めている標的に対し、一見単純な見た目のBDC レチクルでも、レチクル上のマーカーが示す弾道落下ポイントをあらかじめ把握しておくことで、標的に対し柔軟な対応を可能にするレチクルということです。

 

但し、経験を積んだ多くのシューターの方々に言われ続けていることですが、BDC は常に万能というわけではなく、使用しているライフル、弾などにに加え、細かいことにまで踏み込めば、射撃地の天候、湿度、風、標高まで考慮にいれる必要性があるとも言われています。(日本国内における一般的な狩猟環境ではここまでの要素は過剰反応かもしれません。)

 

工場出荷時のライフルスコープは、ユーザーに合わせた着弾点セッティング(ライフル、バレル、弾丸、火薬、弾重量、スコープの銃へのマウンティング等はユーザー毎に異なるため)がされているわけではありません。したがいまして、特別なスコープを除き、一般的に各スコープメーカーが製品説明でいうところのBDCレチクル上のマーカーは、単なる”指標”として捉えるに留めることが必要です。

 

例えば、中心から100ヤード、下方向への目盛りは200ヤード、300ヤード、400ヤードいった具合で表示されるBDCレチクルの場合、この通りの着弾点は理想ですが、銃、バレル、弾に加え、他の要素が加味された状況では、この通りの弾道軌道は得られません。この点については、ニコンボルテックスのシミュレーターや関連ソフト、スマホ向けのアプリなどのセッティング補助ツールは便利とされていますが、完全なものではないことを念頭に入れておく方がよさそうです。

 

実際のハンティングでは、 BDC レチクルの通り、100ヤード目盛り刻み毎に獲物がじっと立っていて、そうした獲物をスコープで捕捉しながら狩猟を行うといった都合の良い状況はあまりないと思います。

 

BDC レチクルの着弾点を事前に掴んでおくために、シューティングレンジなどで自分の射撃システムを用い、前もって着弾ポイントの”振れ幅”を把握しておくことで実際の狩場における成果が変わってくるのではないでしょうか。