· 

1800ヤードをビクセンでやったすごい方。

【はじめに】

今回はビクセンの狩猟用ライフルスコープを使って、1800ヤードの超長距離射撃(エクストリームロングレンジ)を実際に成功させた米国シューター様による、懐かしのテストレポートをご紹介させていただきます。本記事のベースは、当時、2017年7月にビクセン様より米国ご在住のテスター様へテスト記事のご紹介について許可を取って戴き、当方Blogにて記事としてご用意をさせていただいたものです。従いまして、テストレポート自体はオリジナルの英語(原文のまま)とさせていただいております。

 

ダウンロード
Vixen RS 5-20x50 with バレット
Vixen RS 5-20x50 with バレットM99. 50 BMG 、12.7mm弾のテストレポートです。
RS 5-20x50 Test Report.pdf
PDFファイル 2.4 MB

【Vixen 5-20x50】

残念ながら、このVixen 5-20x50は生産終了モデルですが、Vixenの4倍比スコープシリーズにおいて、1-4x24といったドリブンハントが主流のドイツ国内狩猟市場でも、当時はなかなか面白いロングレンジ向けの製品でした。

 

ということで、本編へどうぞ。

 


【1800ヤードって】

1,800ヤードというのは、約1,645.92メートルです。

 

ビクセンのライフルスコープは、狩猟用途のロングレンジスコープとして元々は用意されている製品ですが、ここまで遠い距離での使用は想定されていませんでした。

 

特殊な訓練を重ねた米国人シューター様によるテスト。1800ヤードという距離の精密射撃、狩猟用光学機器を使っても可能という結果。

 

当時、こちらのテストレポートによって示された可能性は、関係者にとってたいへん衝撃的なものでした。

 

もちろん、その距離を有効射程に収める特別な銃器(*バレット M99 . 50 BMG (12.7mm弾))はテスト遂行に不可欠で重要な要素であったことは言うまでもありません。

 

【標的の大きさ】

1800ヤード先の標的のサイズは、外側の緑色部分は23.5インチ(59.69センチ) x 23.5インチ(59.69センチ)のAR500 鋼板製ターゲット的。

 

その内側にある白枠寸法は16インチ x 16インチ、更に内側のピンク色をした枠寸法は10インチ(25.4cm) x 10インチ(25.4cm) というもの。

 

想像するに、1800ヤード先に置いたこの標的は肉眼で捉えることは難しい大きさだったはずです。このVixen 5-20x50スコープの最大倍率は20倍が上限であり、太陽光の反射で標的位置を辛うじて確認できていた程度の視認性だと思われます(テストレポート原本にてご確認ください)。

 

どの世界でも同じですが、特殊な訓練を積まれた方々の、極繊細な感覚と技術、忍耐力にはいつも圧倒されます。

 

【耐衝撃性能】

ビクセンのスコープを含め、狩猟等で使用される装薬銃での使用を前提としている一般的なライフルスコープの耐衝撃テストは、1000G(*最近は1200Gでテストされる光学機器も増えてきています)で実施されています。

 

当時のテストに使用されたバレット M99 . 50 BMG 、12.7mm弾というのは、もちろん狩猟用途ではないことはいうまでもなく、テスターの方はテストレポート内で、大口径キャリバーでの射撃リコイルに十分耐えられたことを評価していらっしゃいます。

 

【射撃システム】

テストに使用されたバレット M99 . 50 BMG 、12.7mm弾(外部リンク:英語)のレールは 27MOAの傾斜レールを搭載。加えて、リング側で15MOAの傾斜を得ていることを、テストレポート内にある光学機器周りのメモで頂戴しています。

 

テストレポートにある写真で確認できますが、フロントにバイポッド、リア側には一般的なサンドバッグという、こういう感じで1800ヤードを狙えるシューターもいらっしゃるという世界。

 

当時、このテストレポートを拝見した時、米国人シューター様のカルガルな感じに実感が湧きませんでしたが、専門分野のライフルスコープに加え、エアライフル事業に大きく関わり始めている今だからこそ明確に理解できます。

 

【まとめ】

イノシシを狙う狩猟向けライフルスコープ(ドリブンハント向け)というのは、当時、ドイツをビジネスの主戦場にしていた私にとっては最大の関心事(ユーザー数の分母が圧倒的に大きい)でしたが、このVixen 5-20x50によるエクストリームロングレンジの実践テストレポートは、ハンティング向け光学機器市場に携わっていく上で、銃器+マウント+スコープといった射撃システムの組合せが拓く可能性を初めて意識した衝撃的な内容だったことを鮮明に覚えています。

 

ということで、今日はこの辺りでブログ終わります。ここまでお付き合いを戴きありがとうございました。

 

InstagramFacebookLine、その他のSNSにて情報発信もしておりますのでよろしくお願いいたします。