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レザーを使って猟銃用のガンスリングを作ってみる。(その①)

ハンターによって狩猟への取り組み方は人それぞれ異なります。田畑や河原の傍らにある狩猟ポイントを移動しながらキジ等を狙う流し猟、リュックサックに装備を揃え猟銃を肩に背負って山へ入る忍び猟や巻き狩り等。移動の際、猟銃を運搬するわけですが、手持ち、車載、ガンケース、負い革など、狩猟スタイルと安全確保により、その手段も人それぞれです。

 

現状、当方の猟銃にはガンスリングは取付けられていないのですが、この先、あったら便利かもしれないということで。今回のBlogテーマ、ガンスリングを作ってみよう。です。

 

【ハンティングギア】

インターネットで購入可能な革製ガンスリングは、用途と品質、価格面でもニーズに合ったお手頃なものが多いです。

 

でも折角のハンティング。どうせなら気分があがる装備品を身に着けたいという欲求があります。一方で、金額的なコストを抑えつつ、デザイン、糸や革の質感が醸し出す品質、クッション性など、好みに合ったカスタムが施されたガンスリングを作ってもらうには少しハードルが高いというのも実際のところ。

 

そこで、少し時間を掛けながら丁寧にガンスリングを作ってみようと思ったのが昨年。この小さなプロジェクトは今春に始まり、第1弾プロトタイプの製作過程を経て、第2弾試作モデルはいよいよ完成直前のところまでやってきました。

 

それでは今回のBlog、いってみます。

 

 

【型無しの形無し】

何となく型紙っぽい感じの型で第1弾のプロトタイプを製作した時は、結果としての成果物も中途半端な仕上がりに。何事もですが、”かた” は重要です。ここをおろそかにすると残念な結果に終わります。

 

第2弾では、少し気合を入れて型紙をつくり、それをベースに各部分の部品を用意していきました。

 

手縫いによる縫製も可能かもしれません。でも量産には不向きです。では一般的な家庭用ミシンではどうでしょうか。不可能ではないかもしれません。簡単ではないにしろ、機能的な限界はあります。革を相手にした場合(厚さに加え、かたく目が詰まった素材)、キルト生地で作る上履きぶくろ製作のようにはいきません。

【インダストリアルな道具】

簡単ではないざっくりな理由としては、内蔵モーターのパワー(貫通力)、送り機構の限度(素材の安定保持が厳しい)、使用可能な針と糸が限定的という点でしょうか。

 

家庭用ミシンは、誰にでも操作ができるよう親切丁寧に設計された、今も進化を続ける賢い道具です。今回の革製ガンスリング縫製作業にはミシンを使っています。但しインダストリアル。こうしたミシンが持つ最大の特徴ですが、パワーは言うまでもなく、その送り機構です。上送り、下送り、そして針送り。

 

 

金具類は手芸屋さんで手に入る一般的なもの、革は国内のタンナーさんで加工された黒色系レザー、糸はピンクです。

 

用意したパーツを組上げていきます。革が重なり厚くなる部分の縫製には下準備も含めて少し工夫が必要です。

 

裁断した革の端はそのままでは格好良くないので、ちょっと手間を掛けます。ロゴマークも。 

【下準備がすべて】

今回のプロジェクトに取り組んでみて強く感じたことは、下準備が全て。ということでした。全てのパーツを組上げていく最終工程に比べると、その前段階の各パーツの準備は、試縫いも含め時間を掛ける必要がある工程です。

 

第2弾のプロトタイプもいよいよ大詰め。先のBlogでは完成版(2022/10/1追記:ガンスリングを作ってみる。その②)についてご報告をさせていただく予定です。

 

それでは今回も、ここまでお付き合いをいただきありがとうございました。

 

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