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ドイツの巻き狩り猟

少し前の出来事ですが、2019年も残すところ数週間というころ、ドイツの友人に誘われ現地の巻き狩り猟へ参加させて戴きました。

 

参加したハンターは60名程度だったでしょうか。早朝にクラブハウスへ集合し、所持許可証、狩猟免許の確認およびシューティングレンジでの今期試射記録を受付にて確認をします(期内の試射記録が提出できない場合、射手として巻き狩り猟には参加ができません)。この確認作業は義務化されており、狩猟事故の防止につながっています。

集団は各10名前後の勢子と射手グループに分けられ、各グループは立てられたリーダーに従い、あらかじめ分けられた指定猟区で行動を共にします。射手グループはトップ写真のような森と畑の境界線で獲物が飛び出てくるところを待ち、勢子グループはリーダーの指示に従い、射手が控える各エリアへ獲物を追い出す仕事を遂行していきます。

 

日本でいう勢子さんたちは、大きな掛け声とともに生い茂る草木(雑草というよりも、いばら道でした)の中に分け入り、イノシシをハンターが待つ目的地点へ追い出していきます。

私は勢子として参加をさせていただきましたが、想像していたよりも遥かにハードな仕事でした。猟区の森は、日本の地形とは異なり平坦なのですが、足場が悪く、生い茂る草木のトゲトゲにもやられ、予防の手袋をしておりましたが傷だらけ。

 

猟犬も多数参加していましたが、小型犬には少し痛いトゲトゲだったと思います。勢子の最中、何度かイノシシが藪から飛び出すシーンがあり、その時の緊迫した空気は今でも生々しく覚えています。

数時間が経過し、各射手グループから報告が入り始め、最終的には10頭前後のイノシシや鹿を仕留めたようでした。

 

全ての獲物は1か所に集められ、ドイツ狩猟に伝わる古くからのしきたりに則り、パイプ楽器の音とともに簡単な儀式が執り行われました。使用されていた楽器はドイツの狩猟展示会などでよく見かけるものでしたが、実際に使用されている場面は初めてでした。

皆さん慣れた様子で、一通りの狩猟イベントを終えると、火を囲みながらソーセージやら、ホットワインやらを手に取り、あちらこちらで談笑が始まります。初めて参加をさせていただいたドイツの巻き狩り猟は、ドイツの狩猟文化をちょっとだけ勉強させていただく貴重な機会となりました。

 

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