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独 Jagd und Hund 2020 へ行ってまいりました。

ドイツ、ドルトムントにて開催された Jagd und Hund 2020 へ行ってまいりました。開催場所の展示会会場改修工事が完了し、昨年は仮設入り口でしたが、今回のイベント会場入り口は大変綺麗になりました。

会場内は相変わらずの活気です。

先ず、いつも通り気になる光学機器メーカーブースを全てまわり、各ブースのアテンドの方々にお話を伺っていきます。

 

今回、みなさん口を揃えてお話されていたことは、‟独武器関連法規制が見直され、独狩猟管理当局においてこれまで制限されてきた特定の光学機器の使用に関し、2020年内に規制緩和の実現が確実視され、サーマルイメージデバイス(暗闇或いは森の茂みに潜む害獣の体温感知機能搭載機器)のライフルスコープへの装着(狩猟での使用)が合法になります。“というトピックです。左の写真は独NOBLEX社(旧ドクター)の1-6x24に装着されたサーマルイメージデバイス用のアダプターです。

既にサーマルイメージスコープ(単眼或いは双眼タイプ)は独狩猟市場では数年前から積極的に販売されておりましたが、ライフルスコープへの装着は現状違法であるため、販売側も消費者(ハンター)へのあからさまな営業活動(ライフルスコープへの装着提案)は控えていた状況でした。

 

一方で、昨年のIWA Outdoor Classics 2019 にてPULSERから発表されているサーマルイメージ機能を搭載したライフルスコープ(外付け式ではなく、機能がライフルスコープ光学設計に内蔵されている製品 "Thermion" )については、所持すること自体がドイツ国内では違法であり、もちろんドイツでは誰も販売はしていません。他国で購入しドイツに持ち込んだ場合、即逮捕に繋がるため注意が必要です。

そして、会場内で最も集客が確認できたブースがありました。サーマルイメージ製品で前線を走るリトアニアのPULSARです。同社は、YUKONブランドでナイトビジョン(暗視機能)製品の製造も手掛けています。

 

ドイツでは、昨年の夏以降から独ブレッサー社がドイツ国内におけるPULSAR製品の販売総代理店契約を締結しており、今回の Jagd und Hund では公の場を借りて初のお披露目式となっていました。展示されていた製品の多くは日本円で20万円以上、ハイエンドの製品は50万円以上の価格でした。右手のハンドヘルド式は10万円強です。価格の違いは解像度又は測定距離の違いに因ります。

 

 

日本の光学機器メーカー、ビクセンを見つけました。

 

ブースはPULSARと並列された構成になっています。よく見ると、BRESSER, PULSAR, Vixen の3ブランド名がブース中央パネルに掲げられていました。2020年1月1日より、独ブレッサー社が ビクセン ライフルスコープの欧州総代理店になったようです。これはビクセンにとって大きな変化で、ドイツ狩猟市場においては、PULSARのサーマルイメージスコープ製品とビクセンのライフルスコープが狩猟関連の専門店へ併せて提案されていくことを意味します。

 

ブースでは最近のVixen 1-8x28 FFP を除き、目新しいスコープは確認できませんでしたが、来月2020年3月は、IWA Outdoor Classics 2020 が控えており、次回の展示会に注目です。

ビクセン ライフルスコープ 1-6x24 ミルドット です。

 

クラシックな黒ではなく、ゴールドがかった黄土色という印象です。こちらのモデルは過去に発売された1-6x24 ゼロプラス の派生モデルになります。

 

グラスレティクルが採用されており、ゼロプラスにおいてユーザー間で少し意見が分かれた輝度の点が多少解消されています。写真では確認しずらいですが、緑色と赤色にイルミネーションを切り替えることが可能です。

ずっと気になっていたライフルスコープを改めて手に取って覗いてきました。独銃器メーカー、Blaser社が2018年に市場投入したライフルスコープです。スコープのマウントシステムは、Blaser社のライフル銃へ特化した独自レールがライフルスコープにビルトインされています。

 

ドイツの狩猟展示会では、実銃が展示ディスプレイに用いられています。日本では考えられないことですが、来場者は銃所持免許の無い子供も含め、誰でもそれを手に取ることができます。

 

実際に使用されている銃ですので、展示会後の帰国時に利用する空港セキュリティゲートでは、必ずと言っていいほど硝煙反応が出て足止めをされてしまいます。

以前のブログで紹介させていただいた Blaser INFINITY 1-7x28 ic です。

 

このライフルスコープの特徴の一つは、倍率4倍以下の設定時に自動的にドットの大きさが変わり(大きくなる)、それ以上の高倍率時には輝度を犠牲にすることなくドットサイズが小さくなるため、スコープ越しに捕捉したターゲットを遮る妨げにならない極めてシャープなイルミネーテッドドットを実現している点です。

 

その仕組みを実際に確認できる機会がなかったので、今回の訪問で実際に試してみました。

左の写真が4倍時のイルミネーションのドットサイズです。

 

写真では非常にわかりずらいですが、中心のイルミネーションドットはドーナツの様に内核と外核の2つで構成されていました(指で画像をピンチして拡大してみると?)。

こちらの写真が5倍時或いはそれ以上の倍率に設定した際のドットになります。

 

外核のイルミネーションは光らず、内核のイルミネーションのみに照明が灯っていることが確認できました(指で画像をピンチして拡大してみると?)

 

ライフルスコープのイルミネーションは、光学設計と併せてメーカーが苦慮するライフルスコープ構成部の一つです。こうした技術はパテントで保護されているものですが、日本を含め他メーカーも是非こうした競争相手に負けない独自技術を編み出し、今となっては自動車では当たり前となったエアバッグのようにライフルスコープへ標準化される日が来ればユーザーにとってはありがたいことです。

Blaser社のオリジナル、サドルマウント システムです。こちらは裏側からの写真ですが、反対側にクイックリリース(ロッキングレバー)レバーが付いており、簡単な着脱を可能にしています。

 

2リング式のマウントリングとは異なり、一度ゼロイン設定を済ませたライフルスコープであれば、ライフル銃から取り外しても再びセッティングをする必要がないことが大きな利点です。

ツァイス、ライカ、スワロフスキー、カーレス、シュミットアンドベンダー、シュタイナー、メオプタ、ジグザウワー、全てのブースを回りました。もちろん各社からは新製品が発表されておりますが、これらのメーカーからは2020年3月に開催される IWA Outdoor Classics にて新製品発表の可能性もありますので、次回のブログにて改めてご紹介をさせていただければと思います。


以下番外編です。

白雪姫をモチーフにした彫金が施されたライフルを見つけました。メルケル社製、250万円程度です。

白雪姫がかじってしまったリンゴ。大きくかじられています。

会場内には飲食スペース(主にジビエ料理とチーズ)、猟犬のブリーダーブースエリア、鹿、イノシシ、バッファローなどの加工食肉を販売している専門店ブースも併設されています。ビールやワインを片手にハンティング談義に花を咲かせている来場者で昼過ぎから賑わっています。

 

ひさびさのブログ更新でした。このブログは現在年2回程度の更新になってしまい、何とかもう少しがんばって更新頻度を改善できればと考えています。次回はいよいよ IWA です。

 

しかしながら、現在世界中で猛威を振るう新型コロナウィルス(COVID-19) の問題もあり、この展示会の開催自体も見直される可能性があることは否めません(*2020年2月14日時点ではIWA開催当局は予定通りとのアナウンスを出しています)。

 

IWA Outdoor Classics へ出展する狩猟関連企業の経営者様も自社の社員を危険から守る責任があります。もちろん参加を直前で見送る企業はこの先の2週間で出てくるはずです。こうした展示会を訪問し仮に感染してしまった場合、自らの健康リスクは言うまでもなく、更に被害を拡大させてしまう事に繋がるため慎重な判断が求められます。

 

何れにいたしましても、またいつか更新の時まで今後ともよろしくお願いいたします。