デントラーマウントシステムの寸法についてですが、 光学機器を猟銃に取り付ける前に、先ず初めに、ご自身のライフルスコープについて事前に把握しておく必要な情報が幾つかあります。
注意:事故防止の為、ライフルスコープを取付ける際、猟銃が脱包状態であることを必ず確認してください。
注意:取付けに自信がない方は、お近くの銃砲店様へご購入前にご相談ください。
ボアラインとサイトラインは可能な限り近づけたいという欲求があるかもしれません。
但し、デントラーマウントレール用の最適なマウントリングを選ぶ際に注意すべき点があります。対物レンズ側にアタッチメント(例:サーマルイメージデバイス)を取付ける場合を除き、ほとんどの場合でBH3.5㎜のマウントリングで対応が可能です。
しかしながら、デントラーはワンピース型(*前後で取付ける分離式リングではない)を採用しているため、ライフルスコープのサドル部分にも注意を払う必要があります。
加えて、スコープの対物ベル部分がバレルに干渉することを避けるため、ご使用の猟銃によってはバレル部分とマウントレシーバー部分の段差も加味する必要があります(*こちらは後日、図解にてご説明させていただく予定です)。
2本のライフルスコープを用意し、サドル部分を比べてみました。例えば、ビクセン6-24x58のサドル部分は比較的浅く、チューブ外径からのでっぱりが2㎜程度であるのに対し、ビクセン1-8x25EDのそれは、倍の4㎜強です。
つまり、Vixen 1-8x25EDにBH3.5mmのマウントリングを準備してしまうと、4mmほど出ているスコープのサドル部分がベースレール本体に接地してしまいます。結果として、スコープがマウントリングに接地せずに中空に浮いてしまい、正しく取付けることができないという事になってしまいます。
ということで、デントラーシステムの導入をご検討いただく際は、まずご自身でマウントを希望するライフルスコープのサドル部分をご確認いただく必要があります。例えば、Vixen 1-8x25EDのようにこのサドル部分が3.5-4㎜、或いはそれ以上の場合、BH6.5mmをおすすめします。
デジタル式のノギスがあると便利です。
対物レンズフード部の外径とチューブ径についての情報が必要になります。チューブ径とはライフルスコープの細い筒部分の外径です。30㎜、34㎜の何れかを確認してください。
ここではビクセン Vixen 6-24x58 を例にとります(*BH3.5mmを使用)。
対物レンズ外径68㎜、チューブ径30㎜のこの6-24x58ライフルスコープをデントラーマウントに取付けようとする場合、30mmチューブ径半分の15㎜を対物外径34㎜から差し引くと19㎜です。このスペースにマウントリングと、マウントレール、そしてベースレールが収まり、バレルに干渉しない余裕のある位置でライフルスコープが銃に固定されることになります。
ご紹介したこちらの組合せの場合、スコープ支持具の高さ合計が22.5㎜となりますので、ビクセン6-24x58といった対物径の大きなスコープでも余裕を持ってマウントをすることができます。
ご参考として、下に Vixen 6-24x58用の取付け参考データマトメを図解とあわせて記しておきます。
チューブ半径 :15mm (*30mm Tube)
マウントリング:高さBH3.5㎜
マウントレール:高さ10㎜
ベースレール :高さ9㎜
高さ合計 :37.5mm
ビクセン6-24x58の対物フード外半径は34㎜ですので、この場合、レシーバー接地面とスコープのフード外径とのギャップは3.5mm維持されているということになります。
*(TH15mm+BH3.5mm+MR10mm+BR9mm) - 34mm = 3.5mm
【注意】
スコープの対物側の外径フードが仮にバレル、あるいはレシーバー部に接地してしまっている場合、ライフルスコープの取付けとして完全にアウトです。リコイル時の衝撃と反動で光学機器が破損します。この点は十分にご注意を願います。
Weaver/Picatinny ベースレールの高さは約9㎜です。