ここでは、海外で活躍をする日本の光学機器メーカーのライフルスコープ製品レビューをご紹介をさせていただきます。ここで紹介させていただくレビューは、ドイツ狩猟専門誌に掲載され、著名なドイツ人ライター様によって準備されたものが中心になります。
ドイツ語から日本語へ翻訳したテストレポートについては、ライター様から許可を頂戴したもののみを掲載させていただきますが、テストレポートの著作権(写真を含む)は全てライター様に帰属しますので、記事の2次転用はについては、直接ライター様へその許可をご確認をいただくことになります。ご注意ください。
こちらのテストレポートは、2021年10月に出版されたドイツ狩猟専門誌へ掲載されたものです。
記事に挿入されている写真は文字を視覚的にとらえていただく為の補助的なイメージであり、本テストレポート併せて準備された写真とは別のイメージ図になりますので、ご注意ください。テストレポート内でうたわれている写真はPDFにてご確認をいただけます。それではどうぞ。
デントラー社では、幅広い種類の猟銃に対し、1挺の猟銃で異なる光学機器を使用したい、といった用途へ向けたライフルスコープマウントを提案しています。今回、本記事著者のPatrik Bollrath氏によりデントラーマウントがテストされました。
ライター:Patrik Bollrath
ほとんどのハンティングライフルは、ライフルとスコープを繋げる独自のマウントを備えています。このスコープマウント部は、安全の確保に加え、射撃時における一貫した着弾を得るために重要な要素でもあります。しかしながら、これは広く知れ渡っている問題でもありますが、マウントの多くは、射撃の完璧なリピータビリティー(反復性)を備えてはいません。これが意味することは、ライフルスコープを銃から取り外し、そして再び元に戻したとき、着弾点にズレが生じるということです。
ほとんどの場合、これはシリアスな問題ではなく許容限度の範囲以内です。しかしながら、この取り外すという行為により、射手にとっては落ち着かない感覚が残ることは確かです。スコープを付替えたあとのコントロールショットは、同じスコープでもその着脱を行った際、射手には欠かせない試射です。多くのマウントにおいて、ライフルスコープが正しくマウントされていない、或いは、スコープが適切なトルクで固定されていないという場合、結果として着弾点に誤差が生じます。つまり、ライフルスコープの設定が、再び正しい着弾点を得るためには、3回程度の試射をする必要があるということです。しかしながら、デントラーマウントの場合について言えば、これはもう過去の問題となりました。
デントラーマウントを構成するベースレールは、ライフル銃に固く固定されます。このベイシスと呼ばれるベースレールには、取付ける銃器に応じて、ネジ固定式とクランプ式があります。ベイシスは、市場に流通するほとんどの猟銃へ向けて用意されています。仮に要望があれば、デントラー社は個別の銃器への対応サービスも提供しています。ベースレールには高強度の鋼鉄が用いられ、その表面には錆防止の加工が施されています。ライフルスコープを取付けるマウントレールは、内蔵クランプレバーで常に特定の同じ位置で固定されるため、一貫した精度が約束されています。
デントラーマウントを構成するもう片方は、スコープを取付けるマウントレールです。このレールには高強度のアルミニウム材が用いられ、このマウントレールにもサビ防止の表面加工が施されています。マウントレールは市場にある全てのライフルスコープへ向けて様々なタイプが用意されています(1インチ、30㎜、34㎜、スワロフスキーSR、シュミットアンドベンダー、ツァイスZM、ウィーバー/ピカティニー、ドクターサイト、エイムポイントマイクロH1、H2)。鋼鉄製のリングもあり、あらゆるライフルスコープに対応するため、高さは3.5mm, 6.5mm, 9.5mmが用意されています。
私が所有するサワー100ですが、銃砲店で適切な位置にデントラーのベイシスを取り付けてもらいました。ライフルスコープには30㎜径リングを用い、私自身で取付けましたが、技術的に高いスキルがなくても非常に簡単でした。ライフルスコープをマウントをする高さは、ライフル銃とスコープによって異なります。私の場合、スコープのマウント位置を低くし、見た目にも気に入っています。
ライフルスコープを付けるマウントレールとリングからは、とても高品質な印象を受けます。マウントレールの着脱は驚くほど簡単で、取付け時に絶対にエラーが起こらないよう設計されています。スコープを取付けたマウントレールをベースレールに取付け、クランプレバーを180度回すだけです。
ライフルスコープはベースレールにしっかりと完全に固定されます。射撃場において、連続して幾つかのテストを実施しました。ライフルスコープの着脱を繰り返し、光学機器を幾つか交換してみましたが、覗いた際の見え方は常に一定です。銃に固定したスコープで試射をしてみると、着弾点も常に一定でした。
デントラーマウントシステムは、絶対的なリピータブル、射撃精度の高い反復性を誇るマウントであることが証明されました。着弾点に偏差もなく、取付け時に特に気を付ける点も不要、独創的です。スコープを幾度交換したとしても、絶対的な安全性の確保という設計思想がこのマウントからは伝わります。
森で行われるドリブンハントでは、ドリブンハント用の専用スコープとは別に、私は常にエイムポイントを用意していますが、必要に応じて躊躇することなく光学機器をその場で付け替えています。実際のフィールドでは、射撃距離が少し長い場合など、所有する4-16x56の着弾点を心配せずに光学機器を付け替えて使用することが出来ます。
結論として、デントラーマウントシステムのベイシスは、現行のマウント市場において最上クラスといえるマウントのひとつです。ベイシスは、市場に流通する多くの銃器との互換性に加え、ライフルスコープとも同様に互換性を備えています。視覚的に人目を引くデザイン、製品としての完成度、使用されている製品の材質など、これら要素が合わさることで極めて高品質かつ堅牢なスコープマウントを実現しています。しかしながら、このマウントの最も重要な点は、製品へのユーザーからの期待に対し明確に応えていることです。
妥協を許さない射撃精度の絶対的なリピータビリティー(反復性)、そしてライフル銃と光学機器をつなぐシンプルな接続。事実、デントラーマウントシステムは、市場で手に入るライフル銃用の他社製マウントよりも重いですが、重心はマウントシステムの中心にあるため、私の考えとしては、銃全体としての取り扱いに問題は感じません。価格と性能のバランスについては、他社製のマウントシステムと比較してもフェアに設定されており、デントラーマウントから享受できる満足感により絶対的に正当化されるでしょう。
デントラーマウント拡張モジュールのバリオは、ほとんど全ての銃器メーカーのシステムに対応しています。このベースレール、バリオを使うことにより、初期設定を済ませてしまえさえすれば、ライフルスコープの調整といった作業を必要とはせずに、一つのライフルスコープを幾つもの銃器にマウントして使用することができます。この仕組みは、スコープ側で着弾点を調整するのではなく、バリオ本体で調整するという仕組みです。ついに、私は1本のライフルスコープを所持する全ての銃器で使えるようになり、銃ごとに新たなライフルスコープとマウントを購入する必要がなくなりました。
ベースレールの可変式バリオは、固定式のベイシスと同じ様式ですが、唯一の違いは、バリオは六角レンチを使うことで垂直方向と水平方向にマウントを調整することが出来る点です。
デントラーのマウントレールとベースレール(ベイシス)を揃えるための総額は360ユーロ程度です(VAT除く)。ベースレールのバリオは約400ユーロです。この価格で、どんなハンティングシーンにおいても信頼できる耐久性、反復性能に優れたマウントシステムを手にすることができます。ライフル銃に取付ける光学機器の交換は、もはや問題ではありません。
ライター:Patrik Bollrath
日本語翻訳完了いたしました。
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